矢野エッセイ

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その53「哀しき相似形」

その女性は杖をついて画廊に入ってきた。ついそこで、今しがた、いいことがありましたというような笑顔で僕の方を見て、それから作品を一つ一つ見て回った。

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その52「東海道漂泊記」

「四日市って人口どのくらいですか?」
「ははは、本当に聞いたわ」
運転していた満50歳の女性が笑った。

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その51「君、幸せになるべし」

はい、お疲れさま。これで一応前期のガラス工芸の授業を終わります。

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その50「霧の彼方に」

ROBERT B.PARKERの「PAPER DOLL」という推理小説を読んだ。

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その49「DAY DREAM BELIEVER」

一週間ぶりにグロスに行った。グロスマスターKは珍しく嬉しそうな、恥ずかしそうな顔をしている。

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その48「龍馬さんの水疱瘡」

私のお姉ちゃんの同級生の親戚がジャニーズ事務所に入ったとか、同じ団地の人のお友達が宝くじで一億円当たったとか、よく行くお店のマスターの知り合いが直木賞の最終選考に残ったとか……その手の話はごまんと耳にする。

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その47「幻のアンコール」

ちょうど一年前の2008年12月、岡山にベルリンフィルが来た。嘘でも夢でもなく本当にサイモン・ラトル指揮のちゃんとしたベルリンフィルが来た。

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その46「失言は金」

「総体的に言って、無意味な人生ですなあ」
ビミョーな間。
「そうなんだよ、最近自分でもそう思うんだよねえ……」

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その45「我が思想」

神戸の個展の後倉敷の工房イクコでの個展、京都のA3 Internationalでのワークショップが最近の主な仕事だ。どちらもたくさんの新しい出会い、懐かしい再会があり、ここに書きたいことは豊富にあった。

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その44「西の馬」

グロス貸し出し文庫に本が増えていた。
「誰が持ってきたん?」
「ハクハツの紳士です」

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